弊社サイトのアクセス解析で、「Z5j フネ」という検索キーワードがありましたので、弊社で主要機材として導入していた「SONY HVR-Z5J」にて使用しているフネ(舟・三脚アタッチメント)をご紹介します。

もちろん、HVR-Z5J以外でも、ハンドヘルドクラスのカメラであれば、対応可能かと思います。

ビデオカメラにはフネが必需品!

三脚の「カメラプレート」

三脚の「カメラプレート」

ビデオカメラの撮影に欠かせないのが三脚です。ハンディー(手持ち)撮影による臨場感のある映像も、三脚で固定した安心感のある映像があるからこそ引き立つのであって、始めから最後まで、ずっとハンディーで撮影した映像を見せられたら、視聴者はきっと船酔い状態になります。(@_@)

ただ、三脚を使用して撮影する際に重要なのが、三脚の「カウンターバランス」調整です。

きちんとカウンターバランスを取った三脚は、カメラを上下にチルトさせても、その位置でカメラを制止させてくれますが、三脚の「カメラプレート」へカメラを直接取り付けた場合、三脚へカメラをセットする度に、カウンターバランス調整をする必要があり、スムーズな撮影は不可能です。

sachtlerの三脚の一部には、「スナップ&ゴー サイドロード機構」と言うシステムがあり、三脚の「カメラプレート」をカメラに取り付け、ワンタッチで三脚へセット可能とあります。

確かにこのシステムはクイックな取り付けが可能なのですが、正確なカウンターバランスを実現するには、「カメラプレート」の横にある目盛りをいちいち確認しなければならず、自分のような「めんどくさがり」には、ちょっと厳しいです...。(>_<)

そこで必需品となるのが、フネ(舟・三脚アタッチメント)です!

PROTECH製の「三脚アダプタプレート・ST-1」は?

PROTECH製「三脚アダプタプレート・ST-1」

PROTECH製「三脚アダプタプレート・ST-1」

ハンドヘルド・カメラ用の三脚アタッチメントとして、巷で良く見るのは、PROTECH製の「三脚アダプタプレート・ST-1(定価19,740円)」という商品で、ショルダー型カメラ用(*)の「SONY製三脚アダプター・VCT-14」を流用出来る優れものなんですが、如何せんハンドヘルド・カメラ(*)には、アダプタプレート自体が少々大きく、自分的には、少し使いにくいかと思います...。(^^;)

*「思います」というのは、すいません、紹介していて無責任ですが、自分は使ったことが無いので、正直な感想を述べることが出来ません...。(>_<)

*ショルダー型カメラとは、XDCAMなどの肩に乗せて撮影する放送用・業務用のカメラ(PXW-Z450や、HDW-650、HVR-S270Jなど)

*ハンドヘルド・カメラとは、AVCHDなど、手で構えて撮影する業務用のカメラ(HVR-Z5JやHXR-NX3、HXR-NX5R、HXR-NX100など)

SONY製三脚アダプター「VCT-14」

SONY製三脚アダプター「VCT-14」

しかし、せっかくカメラが小さくなったのに、「三脚アタッチメントがデカイ」のでは、あまり意味が無いと思いますし、また、ショルダー型カメラとハンドヘルド・カメラでは、重量が違いすぎるので、同じ三脚を流用するのも、如何なものかと思いますので...。(^^;)

*ショルダー型カメラでは、カメラ本体・レンズ・バッテリーを合わせると、7〜9Kgほど。ハンドヘルド・カメラでは、カメラ本体とバッテリー(レンズはカメラに含む)で、3〜4Kg。おそよ半分の重量ですので、カウンターバランスも違いますし...。

確かに、放送関連の大手技術プロダクションで、「VINTEN」や「sachtler」の、ショルダー型カメラの重量に耐え得る三脚を何本も所有していて、ちょっとしたインサート用にハンドヘルド・カメラで撮影するのであれば、この手の三脚アダプタプレートでも、便利かも知れませんが、弊社みたいな弱小プロダクションでは、そんな高価なカメラや三脚を購入出来るはずもなく、ハンドヘルド・カメラ用の安価な三脚を使用しているプロダクションでは、「三脚アダプタプレート・ST-1」を導入するのもコストが掛かりますし、使い勝手も少々不便で、使用する意味が無いかと思います。

*でも、BETACAMやHDCAMを購入時に三脚アダプターが付属してくるのに、ハンドヘルド・カメラでは、何故付属してこないのでしょう?販売価格を下げるため?(^^;)

Velbonの「マグネシウム製クイックシュー QRA-667L」

弊社導入の「Velbon・マグネシウム製クイックシュー QRA-667L」

弊社導入の「Velbon・マグネシウム製クイックシュー QRA-667L」

そこで、自分はスチールカメラの撮影も少々やっており、そのスチールカメラ用の三脚で使用している「クイックシュー」が流用出来るのではないかと思い、HVR-Z5Jのビデオカメラに、Velbonの「マグネシウム製クイックシュー QRA-667L(定価9,450円)」を使っていますので、ここに紹介させて頂きます。

*「QRA-667L」はメーカーで生産完了品となったようで、「QRA-635LII(定価9,600円)」が現行品のようです。
スチールカメラ用にこの商品も使用しておりますが、シューが一回り小さいだけで、機能的には同じで、ハンドヘルドカメラで使用するのも問題有りません。
以下、「QRA-667L」を「QRA-635LII」へ置き換えてお読み下さい。(2017.4.7)

Amazonサイトはこちら

さて、Velbonのマグネシウム製クイックシュー「QRA-667L」ですが、これは、2つの製品から構成されており、カメラ側に付ける「Velbon QRA-67L シュー(定価3,990円)」と、三脚側に付ける「Velbon QRA-6L クイックシューベース(定価5,460円)」とが一緒になった商品です。各々単体でも購入できるので、カメラや三脚が増えた際も、コストが抑えられるので、便利かと思います。

*クイックシューベースには水準器が付いてきますが、ビデオの場合、三脚ヘッドの水準器を使いますので不要ですが、三脚の後ろから横の水平は確認できます...。(^^;)

カメラ側に付ける「Velbon QRA-67L シュー」の裏側には、「カメラネジ回しが付属」しており、「シューをカメラへガッチリ付ける」ことが容易に出来ますし、カメラを使用していて、シューのネジが「現場でゆるんできた際」にもすぐに締め付け可能です。

*QRA-67Lは販売時期で2種類あり、後期型は「カメラネジ回し」が「取り外しタイプ」ではなく、「引き起こしタイプ」になり、ネジ回しを紛失する恐れが無くなりました。

三脚側に付ける「Velbon QRA-6L クイックシューベース」は、普通にねじを回して付けることになりますので、500円硬貨や普通のドライバーで締めても良いのですが、「コイン・ドライバー(Amazon)」があれば非常に便利です。

「Velbon QRA-67L シュー」の取り付け

「Velbon QRA-67L シュー」の取り付け

ただ、「シュー」や「クイックシューベース」をカメラや三脚に付ける際は、ネジ1個で取り付けることになり、まっすぐに取り付けるのは「勘」でしか有りません...。まあ、ネジが2個あっても、微妙にセンターがズレることもありますし、例え多少ズレてても、余程の微妙な撮影をするか、神経質な方以外は問題無いかとは思いますが...。

ちなみに「シュー」のカメラに取り付ける面や、「クイックシューベース」のカメラプレートに取り付ける面は、硬質のゴム素材で出来ており、滑りにくくなってます。さすが長年、三脚を扱っているメーカーの製品だと感心します!

ここで注意するのは、普通、スチールカメラでは、このクイックシューは被写体に対して「横向き」に付けて使用しますが、ハンドヘルド・カメラでは、縦方向に付けた方がスリムですし、カメラを三脚に脱着する際もスムーズかと思います。つまり、リリース・レバーをカメラのレンズ側に来るように取り付けた方が良いでしょう。

IkegamiやPanasonicのカメラに、以前付属していた三脚アタッチメントも、同じようなレンズ側にリリースレバーが有ったかと思います。

※Panasonicは、現在、SONYの三脚アタッチメントと同じになったかと思いました。Ikegamiも同じになったと聞いています。

「QRA-667L」は超クイック!

この「QRA-667L」は、「クイックシュー」と言うくらいですから、脱着は文字通り「クイック」です!(^^)v

「クイックシューベース」に「シュー」の片側、リリースレバーの反対側(カメラのバッテリー側)に挿入して、あとは逆側(カメラのレンズ側)、リリースレバー側へシューを落とし込むと、リリースレバーが自動でロック状態になり、取り付け完了!

取り外しも、リリースレバーを回すだけで、すぐに取り外すことが可能です。

「QRA-667L」は便利だけど...。

ここで注意点を...。

「Velbon」のサイトでは、「マグネシウム製クイックシューQRA-635L II」の「推奨積載重量」が「6kg」となっております。

一応、フルサイズの35mmスチールカメラでの使用を考えて作られているかと思いますし、ハンドヘルド・カメラの重量は重くても約3Kgですが、クイックシューの使用に関して、あくまでも自己責任でお願い致します。

ただ、弊社の使用環境で例を挙げると、HVR-Z5JにバッテリーとワイヤレスUWP-V1のレシーバーを取り付けた状態にて、カメラを三脚に付けたままで肩に担いでの移動(お勧めしませんが)程度では、10年ほど使用しておりますが、脱落したことは一度も無いことを報告しておきます。

但し、今後、経年変化で部品がもろくなり、弊社の使用環境でも脱落する可能性はありますし、この紹介文をお読みになり、導入された方と弊社との使用環境は異なるかと思いますので、本当に自己責任での導入・使用をお願い致します。カメラが脱落しても、弊社では一切責任を持てませんので、ご了承願います...。m(_ _)m